| キライ |
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| 父は会社で嫌なことがあると 必ず家で暴力を振るった。 それを母は無抵抗で耐えた。
脱衣所で見た母のその体は 無数の大きなアザだらけだった。 そして宗教に走った。父はそれも気に入らなかった。 ますます暴力はひどくなっていった。
私は父が大嫌いだった。 歯を食いしばって耐える母も嫌いだった。 そのそばで ただオロオロしかできない自分が大嫌いだった。
ずいぶんこんな生活が続いた。 小さかった私も 車の免許をとるほどになっていた。 ずっと家を出たいと思っていた。
ある日父が入院した。
着替えを持って病院に行った。 着替えを交換したらさっさと帰るはずだった。
病室にの入り口に差し掛かると 私に気づかず 病室を出て行く父がいた。
点滴をぶら下げた器具を点滴の刺さった手で押しながらトボトボと歩く後姿。 あんなに大きく怖いと思っていたその背中は小さかった。
なんでだろう。 涙が止まらない。
しばらく声をかけられなかった。
「来たんか」 「うん。着替え交換するわ」
交わした会話はそれだけだった。 それが精一杯だった。
父と別れて後ろを向いたとたん また泣けてきた。 車に戻ってしばらく駐車場から出られなかった。
今でも父が嫌いだし 母が嫌いだ。 そして何より どうしていいかわからなくて逃げるように家を出てしまった自分が一番嫌いだ。
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8月3日(木)20:20 | トラックバック(0) | コメント(0) | ポエム | 管理
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